厚労省が公表している薬剤師年収データ【全国平均】

 まずは平成29年度の厚生労働省の賃金構造基本統計調査の薬剤師の箇所のデータを見てみます。これによれば薬剤師の平均年収の全国データは以下になっています。参考に年齢や勤続年数データも併せて掲載します。

 

年齢 39(歳)
勤続年数 7.2(年)
所定内実労働時間数 164(時間)
きまって支給する現金給与額 388,300(円)
年間賞与その他特別給与額 778,600(円)
労働者数

64890(人)

(出典:「平成29年賃金構造基本統計調査・ 賃金構造基本統計調査に関する統計表」【厚生労働省】を加工して作成)

 

 「きまって支給する現金給与額」というのがいわゆる額面給料(社会保険料などを引く前の月給)になり、年間賞与その他特別給与額というのがいわゆるボーナスになります。人数は約6.5万人のデータになります。上記のデータで年収を計算すると388,300円×12+778,600円=5,438,200円というのが全国平均の薬剤師の年収になります。

 

厚労省が公表している薬剤師年収データ【都道府県別】

 上記の平均の数字はあくまで全国平均ですが、薬剤師の場合は、都道府県別などの需給状況や業種による違い、役職による違いなどが年収に大きく影響するため、年収の個人差は割と大きく全員が上記のような数字に収まるわけではありません。

 

 例えば都道府県別での年収データを見ると以下になります。公式データの「きまって支給する現金給与額」=「月額給与」、公式データの「年間賞与その他特別給与額」=「ボーナス」と表記しています。年収は「月額給与」×12(ヶ月)+「ボーナス」で算出しています。

 

  月額給与(円) ボーナス(円) 年収(円) 年齢(歳) 勤続年数(年) 労働者数(人)
奈良 594,400 639,800 7,772,600 38.3 7.9 840
静岡 482,100 1,060,300 6,845,500 47.8 7.4 2,210
青森 466,600 1,106,300 6,705,500 41.1 3.0 370
栃木 443,400 1,235,800 6,556,600 43.6 11.2 1,090
島根 437,600 1,232,300 6,483,500 41.0 5.5 250
鹿児島 464,700 697,900 6,274,300 41.3 6.9 560
愛媛 418,100 1,218,000 6,235,200 41.8 12.8 510
広島 391,100 1,240,900 5,934,100 45.5 10.5 710
兵庫 401,100 932,900 5,746,100 37.3 8.1 1,800
東京 406,700 825,500 5,705,900 40.5 9.4 9,270
大分 387,300 1,055,200 5,702,800 44.5 10.5 380
山口 367,500 1,186,200 5,596,200 41.8 7.8 500
群馬 395,700 742,800 5,491,200 34.9 5.3 820
秋田 362,900 1,130,000 5,484,800 33.9 5.0 780
長野 377,600 914,600 5,445,800 44.7 7.9 720
高知 353,000 1,203,200 5,439,200 43.5 4.5 210
長崎 386,800 724,700 5,366,300 38.8 5.4 590
福井 350,200 1,144,800 5,347,200 39.4 11.3 290
埼玉 399,500 544,000 5,338,000 34.8 4.1 4,300
神奈川 386,600 693,400 5,332,600 38.3 6.6 4,760
愛知 381,800 746,500 5,328,100 38.6 6.7 3,190
福岡 379,800 764,200 5,321,800 39.5 9.8 3,070
岐阜 388,000 656,400 5,312,400 35.9 4.2 890
和歌山 388,700 645,500 5,309,900 36.5 5.2 340
福島 368,400 876,000 5,296,800 41.3 13.9 630
茨城 367,800 825,000 5,238,600 42.4 6.9 620
岩手 392,300 515,800 5,223,400 36.4 4.8 560
千葉 384,000 582,200 5,190,200 35.9 6.5 6,280
佐賀 378,500 643,200 5,185,200 39.0 9.2 350
北海道 363,700 813,500 5,177,900 38.2 6.1 3,510
熊本 364,000 766,500 5,134,500 39.0 5.2 960
香川 365,300 723,500 5,107,100 39.1 9.7 350
大阪 355,200 838,300 5,100,700 38.8 6.9 3,650
山梨 393,200 377,100 5,095,500 45.3 11.0 270
沖縄 384,000 466,500 5,074,500 39.2 5.1 2,140
富山 303,700 1,384,400 5,028,800 41.3 15.9 440
鳥取 330,200 1,038,700 5,001,100 40.2 4.3 540
山形 316,100 1,183,700 4,976,900 38.1 10.8 370
岡山 332,200 931,900 4,918,300 37.5 7.6 540
宮崎 371,900 442,100 4,904,900 42.8 4.6 510
滋賀 341,900 770,400 4,873,200 28.1 3.5 330
京都 354,800 586,500 4,844,100 39.1 3.5 1,970
新潟 327,500 876,500 4,806,500 39.7 6.6 580
徳島 341,000 695,700 4,787,700 42.0 8.6 420
石川 309,200 1,066,400 4,776,800 39.7 4.5 300
宮城 314,400 938,700 4,711,500 37.1 5.7 770
三重 315,200 592,800 4,375,200 36.3 5.6 370

(出典:「平成29年賃金構造基本統計調査・ 賃金構造基本統計調査に関する統計表」【厚生労働省】を加工して作成)

 

 上記のデータは調査対象が約6.4万人の正規雇用の薬剤師になるので全ての薬剤師を反映したものではないですし、アルバイトなどのデータは入っていませんが、一つの参考データにはなります。都道府県別でみると、例えば平成29年は奈良県が1位で約777万円、静岡県が2位で約684万円になっています。逆に年収が低い県で見ると三重県で約437万円、宮城県で471万円などになります。その年のそのエリア薬剤師の不足状況なども反映していると考えられますが、都道府県で最大300万以上も差があります。

 

 また、9,270人と一番薬剤師人口の多い東京の平均年収は約570万円、4,760人と二番目に薬剤師が多い神奈川は約533万円になっていて、奈良や静岡に比べると100万円以上も少ない数字です。これらの背景には、薬剤師が一般に都市部においては充足しており、地方においてはやや不足気味であるという点があり、人材の需給の関係が反映してると考えられます。特に薬科大学や薬学部のない県や離島においては薬剤師不足が深刻なため、高給にして募集をかけているところが多いです。

 

 地方と都心で年収にすると100~200万円ほどの違いがあるのは事実ですが、ただその代わりに生活する上での問題点もあります。 例えば、娯楽施設が無かったり、スーパーやコンビニなどの生活の基盤となる施設が少ないところもあります。実際に地方にIターンをする場合には、生活環境について十分なリサーチが必要です。やはり年収はそう上がりにくくても大手の方が雇用者としては安心できるというのは事実としてあるようです。